恐怖の反抗期、成長のチャンスに変える考え方
『反抗期』子を持つ親として、とても恐ろしい言葉です。
思春期の繊細な子供の心、扱いを間違えると大問題になりかねません。
しかし、原因不明のイライラから起きる問題のため、
『正しい扱い方』というものが存在するのか、難しい所だと思います。
今回は、そんな『反抗期』のメカニズムと、
逆用して成長のチャンスに変える考え方を書いていきたいと思います。
目次
1.反抗期とは
1-1.反抗期って、どんなもの?
1-2.わかっていても防げない、反抗期の怖さ
1-3.子供自身も理解不能のイライラに苦しんでいる
2.『反抗期』の本当の名称は『巣立ち期』
2-1.反抗期は巣立つための本能
2-2.昔の日本の一人立ち
2-3.本能と現実との間にある時差
2-4.自立への矛盾と子離れの寂しさ
3.反抗期を逆用し、チャンスに変える考え方
3-1.『反抗期』の原因を親子で理解
3-2.子供を大人と同等の『個人』として扱う
3-3.自立へのサポートを日常生活に組み込む
4.まとめ
1.反抗期とは
1-1.反抗期って、どんなもの?
反抗期は思春期に見られる、子供に起きる物事に反抗的になる期間です。
その期間はおおむね、10代の前半から後半の間で起こります。
内容は様々ですが、親に対して反抗的になるのが主なもの。
自分の過去の行動から考えると、親へ感じる『煩わしさ』が強く、
『仲良くするのが恥ずかしい』とか
『接するのが面倒』という気持ちが強かったと思います。
1-2.わかっていても防げない、反抗期の怖さ
さて、思春期に『反抗期』が来る事は、ほとんどの方が理解していると思います。
それでもなお、防げないのはどうしてなのでしょうか。
反抗期は、正面から立ち向かえば立ち向かうほど逆効果になってしまう
とても恐ろしい性質を持っています。
どんな意見も『反抗』の的となり、『煩わしさ』を避けるため『聞き入れる』事ができません。
当然、言えば言うほど伝わらない事による徒労とやりきれなさを感じてしまいます。
また、時に強い『攻撃的な言葉』が飛び交う事になるため、
予期していたとしても、標的となる親は傷付いてしまうのです。
1-3.子供自身も理解不能のイライラに苦しんでいる
反抗期は『子供が反抗』する事で、親を苦しめてしまうものです。
ですが、子供自身もまた、同じように苦しんでいると思います。
理由もわからず湧いてくるイライラが子供たちを苦しめます。
家族が大切に思えず、居場所がないような感覚に陥ってしまいます。
理由がわからないため、解消する事が非常に困難です。
親が手を差し伸べてくれても、煩わしく感じてしまうので突破口がありません。
誰が悪いわけではないのに誰もが苦しんでしまい、
ただただ嵐が去るのを待つしかありません。
2.『反抗期』の本当の名称は『巣立ち期』
2-1.反抗期は巣立つための本能
反抗期は、一人立ちするための人間の本能が生み出しています。
『親元を離れたい』と思えるように、親が煩わしくなるのです。
親にとっては全く喜ばしくない本能なのですが、
親子の絆はそれほどの力が働かないと離せないという事なのでしょう。
『反抗期』という名称は良くないと私は思います。
無知で無力な『子供』が正しい親に『反抗』をする事から呼ばれているのだと思います。
本当に子供は無知で無力なのでしょうか。
本当に親は常に正しい判断をしているのでしょうか。
『反抗期』は本当は子供が『一人前』になろうとする期間です。
なので、私は『自立期』や『巣立ち期』と呼んだ方が良いと思っています。
2-2.昔の日本の一人立ち
昔の日本を考えると、子供の一人立ちは今より遥かに早かったのではないかと思います。
調べてみると、武士は14歳、商人は12歳で奉公に出され一人前に働いていたとのこと。
年齢的に反抗期の時期と一致していますね。
反抗期を迎え、自立したいという欲求が強くなる時期に『一人立ち』をするのです。
とても自然な流れで、新しい世界へ飛び出せるのではないでしょうか。
また実際に親元を離れる事は大変なため、親のありがたみを身をもって感じ、
現代のような『反抗心』は生まれなかったのではないかと想像します。
2-3.本能と現実との間にある時差
さて、現代の日本ではどうでしょう。
多くの家庭では、大学を卒業する23歳頃から一人立ちが始まるのではと思います。
社会人になり、一人で暮らしていく経済力がついてから、という事ですね。
さらに、私の周りを見てみると社会人になっても実家暮らしをしている人が多く見られます。
昨今の日本では、晩婚化や貧富の格差が顕著なため、
一人で暮らす費用や手間を考えると、もちろん頷ける事だと思います。
遅い場合は『結婚』のタイミングで親元を離れるのが多い様ですね。
現代日本では『一人立ち』は、30代でも出来ていない人も少なくはありません。
この『本能が望む一人立ち』と『現実的な一人立ち』の時差はとても大きいものです。
本能が欲するタイミングでは一人立ちが出来ない年齢のため、我慢してしまいます。
そのうちに、我慢する事になれてしまい、その後も
『一人立ち』をするチャンスを逸してしまうのではないかと思います。
2-4.自立への矛盾と子離れの寂しさ
反抗期の子供は『自立したい』という欲求と
『自立できない』という現実の板挟みになっています。
現代社会で中高生がお金を稼ぎ、一人で生活できるかと考えれば当然の事。
しかし『自立したい』という本能的な欲求との矛盾は解決しようがありません。
一方、親の視点で『子供の一人立ち』について考えてみるとどうでしょう。
親は子供に経済力が付いてから、親元を離れて欲しいと考えます。
また、それ以降でも『安定するまでは居ても良い』と考えている方が多いと思います。
我が子かわいさのあまり、苦労して欲しくないという気持ちもあるでしょうし、
単純に子供が離れていってしまうのが『寂しい』という気持ちもあると思います。
これは、子供が巣立つための『訓練』をしていく事を妨害してしまいます。
本来、親は子供が一人でも暮らしていけるように
生活力をつけるためのサポートししていくべきです。
ところが、『まだ先の事』と考えたり『寂しい』という無意識の感情から、
進んでサポートする事が出来なくなってしまうのです。
3.反抗期を逆用し、チャンスに変える考え方
3-1.『反抗期』の原因を親子で理解
まずは、反抗期の原因を親子で理解することが重要です。
反抗期は『自立するために必要な本能』という事を説明しましょう。
イライラの原因は、親元を離れるための本能が働いているという事。
嫌悪感を感じるかもしれないけれど、家族を嫌いになるわけではない事。
反抗期の子供に納得させるのは難しい事かもしれませんが、
受け入れられないとしても、原因を『提示された』事で
『知識』として子供の頭の中には必ず残ります。
そして子供は、自分が家を出て一人で暮らしていく姿を想像するようになります。
3-2.子供を大人と同等の『個人』として扱う
反抗期が『自立するための本能』だという事は学べました。
この時、親は子供に対し『子供扱い』する事を控えるべきだと思います。
自立するにはまだ程遠い、反抗期の子供です。
世間に出て一人で立派にやっていく事は難しいでしょう。
そこで、家庭を小さな社会と置き換え、
一人立ちのための『訓練』をしていく必要があります。
家庭の中では対等で一人前の『大人』として子供を扱っていく事が大切です。
これは主に、生活をする上で協力していくための『個人』という概念です。
『子供じゃないから養わない』というわけではないので、ご理解ください。
3-3.自立へのサポートを日常生活に組み込む
次のステップは、反抗期の本能を逆用し生活力を身につける訓練です。
子供が一人で暮らしていくためには様々な知識と技能が必要になります。
料理や掃除や洗濯、お金に関わる事などたくさんありますね。
普段私たちが当たり前にやっている作業だと思います。
それを、対等な個人である子供にも、協力や分担をしていってもらうのです。
『作業』の『対価』として『賃金』を与えるなどの、
小さな経済活動を学ばせていくのも良いのではないかと思います。
反抗期を自立へのステップと理解させ、
一人で生活していく事の大変さを体感させ、
知識や技能を経験する事で自信をつけさせていく。
この『誘導』が実現できれば、
『反抗期』は親子にとって『素晴らしい成長の期間』となるでしょう。
4.まとめ
私が親元を離れて、一番苦労したのはお金の事です。
お金の管理や経済の知識、主に税金や保険関連の事が苦手で苦労しました。
結婚し、子供ができ、『しっかりしたい』と取り組んでみて初めて、
その重要性や必要性を理解出来たと思います。
もっと前から、身近に感じられる機会があれば、良かったのかなと思います。
そういった事を、教えるチャンスに出来るのがこの『反抗期』だと思います。
反抗期をうまく利用し、
「誰の金で飯を食ってるんだ!」とか
「産んでくれなんて頼んでない!」という悲しい言い争いが
「○○は今月は○円分の家事をしてくれたね、ありがとう」
「生活するって大変なんだ、親はすごいんだな」という言葉になればと願います。
繊細な問題であるが故、根気の必要になる事かとは思います。
『反抗期』は苦しいものではなく、
『成長するチャンス』とポジティブに立ち向かっていけたらと思います。
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