夫婦仲が与える影響!子供の世界の中心には、かならず両親がいる
タイトルですが、わりと当然な事なのかもしれません。
これは、私が40年弱の歳月をかけてたどり着いた結論です。
感覚では理解できていたかもしれませんが、
しっかりと知覚し、活かしていく方法が理解できたのが最近のこと。
今回はそんな、『両親と子供の関係』について書いていきます。
かなり私的な視点となっておりますが、ご了承ください。
目次
1.実体験から気付いた子供の本能
1-1.親と自分から気付いたこと
1-2.自分と子供から気付いたこと
1-3.2つの関係から導き出された答え
1-4.両親の不仲は子供に不安感を与える
2.不安感の正体は、自己存在の揺らぎ
2-1.なぜ不安感を持ってしまうのか
2-2.両親は子供の心の地盤
3.両親の不仲が子供に与える影響
3-1.仲の良い両親の元『良い子』に育つ子供
3-2.仲の悪い両親の元『良い子』に育つ子供
3-3.同じ『良い子』でも、発想が正反対
3-4.子供の生きづらさの責任は子供にはない
4.まとめ
1.実体験から気付いた子供の本能
1-1.親と自分から気付いたこと
私はこれまで、ずっと両親の離婚に反対をして来ました。
この問題になると、子供の頃はただただ悲しくて泣いているだけでした。
結婚し、子供も出来た30代の現在、直面すると激しい怒りを覚えます。
- 自分たちで選んだ相手なのに、なんでいがみ合うんだ
- 40年も一緒にいたのに、なんで別れるなんて言えるんだ
- 相手の悪いことろを、なんで子供に愚痴るんだ
- こんな年で、なんで親の不仲で悩まなきゃいけないんだ
- なんで普通に平穏に暮らすこともできないんだ
これまで何度も仲裁に入り、不仲が改善するよう努力をしてきました。
『離婚は間違ってる』『両親にとって良くない』と思い、疑いませんでした。
でもこれは『両親のため』などではなく
『私のため』の行動だったんだと、最近気づきました。
感じていた怒りの感情も、本当の気持ちではなかったのです。
3歳の娘の行動を見て、気付かされました。
1-2.自分と子供から気付いたこと
妻と衝突した際、寝ていた娘が起き出して来た時の事。
娘の反応は『不安そうな顔で見守る』というものでした。
話がまとまり、娘にも「ごめんね」と笑いかけたのですが、
そこではじめて『大号泣』が始まりました。
それまで我慢していた感情が、堰を切ったようにあふれ出したのです。
話の内容も、言葉の意味も理解はできていなかったと思います。
その時のピリピリした雰囲気や空気を察し、不安を感じていたのですね。
まるで『この世の終わり』とでもいうような顔で、見つめていたのを覚えています。
その時、これまでの私の心境との一致性に気付きました。
1-3.2つの関係から導き出された答え
子供は素直ですから、わからないなりにも感情を表現します。
私がこれまで両親の不仲に憤りを覚えていた理由と、
娘が私たち夫婦の衝突に不安を感じていた理由は同じものだと思います。
私もただただ不安に包まれていただけだったのです。
私は不安な感情を理解できず、正論である『怒り』の感情に変換していました。
それは『両親のため』などではなく、『自分のため』の感情だと気付きました。
そしてまた、自分が『親離れできていない』事にも気づけたのです。
1-4.両親の不仲は子供に不安感を与える
両親の不仲は子供に不安感を与えます。
決して比喩などではなく、子供は『この世の終わり』のような感覚を味わうのです。
では、この感覚はどこから生まれてきているのでしょうか。
2.不安感の正体は、自己存在の揺らぎ
2-1.なぜ不安感を持ってしまうのか
人間は『存在してもいい』という感覚に安心感を覚えます。
両親が不仲であることは、この『存在してもいい』という自信を大きく揺るがしてしまうのです。
これは本能的なものなのだと思います。
成熟していない自分は、両親に守られている事で安心できるという事なのでしょう。
親元を離れてもなお、この感覚に陥ってしまう私は正常ではないと思います。
『親離れ』の問題に関しては、また別の機会に触れたいと思います。
2-2.両親は子供の心の地盤
両親の不仲が子供の『存在を否定』してしまうなど、全く意図しないことだと思います。
ですが、子供がそういった感覚に陥ってしまうのは事実です。
両親は子供の心の地盤なのです。
地盤のゆるい土地に立派な建物は建てられません。
子供に素敵な人生を歩んで欲しければ、しっかりした地盤を保たなければいけないのです。
子供の前では不仲を隠せばいいか。
残念ながら、それは違うと思います。
子供の感覚はとても敏感なため、ほんの少しの空気感の違いも察してしまいます。
この答えは、いたって単純。
夫婦が仲良くしていられるだけで良いのです。
その単純な方法が、とても難しかったりするのですが。
私が考える夫婦仲改善のコツや秘訣は本筋から離れますので、
これまた別の機会に触れたいと思います。
3.両親の不仲が子供に与える影響
3-1.仲の良い両親の元『良い子』に育つ子供
両親の仲が良いと、素直な『良い子』が育つと思います。
『存在してもいい』という安心感は、子供に『自信』を与え世界を明るく照らします。
自分に秀でた能力がなくても、失敗してしまったとしても、
『存在してもいい』という安心感は損ないません。
愛し方も優しさの伝え方も、毎日両親を見て学んでいます。
自己がしっかりしているため、相手の目を見て、しっかり他者と向き合えます。
イメージが完璧すぎる気がしますが、私の正反対の『良い子』を考えました。
3-2.仲の悪い両親の元『良い子』に育つ子供
一方、仲の悪い両親の元でも『良い子』に育つ事があると思います。
これは私の事例です。
自分で『良い子』は変ですが、『良い子』=良い事ではなかったりします。
『存在してもいい』と思えない子供は、常に不安感がつきまといます。
『存在してもいい』と思ってもらえるような『利用価値』を自分に強く求めます。
自分がどう見られているのか、人に嫌な印象を与えていないか、
人の目を常に気にし、オドオドとした性格になっていきます。
自分に自信が持てず、他者と接する時も『嫌われていないか』を気にします。
人の視線が怖くなり、誰もいない空間でひとり過ごす事に安堵を覚えます。
失敗を強く恐れ、人より劣っている自分を受け入れるのに恐怖を感じます。
『ダメな自分』では『いらない人間』と思われてしまうからです。
存在を認めてくれる人を強く求め、他者に依存してしまいます。
『存在していい』という確信が持てないため、誰かに認めてもらいたいのです。
女性なら、『体』を求められる事でも受け入れてしまうかもしれません。
どう見ても悪い点ばかりなのですが、これは『良い子』です。
常に『他者に不快感を与えない存在でいようと』努力しています。
人目を気にし『相手が求めていそうなもの』を出来る限り差し出します。
自分を殺し、周りの障害にならないよう、協調するように努めます。
失敗しないように、予防策や確認は誰よりもしっかり行います。
そのため、他者からは優しく気の利くしっかり者、という『良い子』に写るのです。
両親に愛されるために作り出した、偽物の『良い子』のため、
その『反動』はさまざまな場面で出てきてしまうのですが。
3-3.同じ『良い子』でも、発想が正反対
同じ『良い子』というカテゴリーに分類できましたが、考え方は正反対です。
例えば何か新しい事に挑戦する時、
前者は「楽しそうな事を見つけたからはじめよう」と思います。
後者は「つまらない日常から抜け出せるかもしれない」と思います。
前者は、キラキラ輝いた世界で、もっと楽しい事を探す人生。
後者は、暗くよどんだ世界で、少しでも苦痛をなくそうとする人生。
多感な時期に感じる『存在してもいい』という感覚は、
こんなにも大きな影響を残してしまうのです。
その原因のひとつとして、『両親の不仲』は大きな部分を占めていると思います。
3-4.子供の生きづらさの責任は子供にはない
これまで私は、生きづらい性格であることは自分に責任があるのだと考えていました。
生まれもっての性質として、こんな人間だったのだと諦めていた部分もありました。
ですが現在、親の立場になってみて考え方が変わりました。
もし自分の子供が生きづらい性格になってしまったら、
それを『子供の性質のせい』にはしたくない、と思ったのです。
子供に『自分はダメな人間だから・・・』と背負って欲しくない、と思いました。
『責任はすべて親である自分にあるのだ』と考えたいと思ったのです。
この考えが浮かんだ瞬間、気持ちが一気に楽になりました。
一生懸命育ててくれた両親には申し訳ないと思いますが、
私が生きづらいのは、自分のせいではなかったからと、初めて確信できたからです。
今までの『自分はダメな人間だから・・・』という考えが間違っていたと気付き、
『自己責任』という肩の荷が下りたような気持ちになりました。
子供を育てるのはとても難しい事です。
何が成功かなんて、きっと答えはでないと思います。
だから、両親の育て方が失敗だったなんて思いません。
『より良くできたのではないか』と考え、自分の子育てに活かしたいと思っています。
4.まとめ
子供の世界の中心には、かならず両親がいます。
いくつになっても、そんな感覚はないと思っても、本能的な部分で存在しています。
両親が怒ってると胸が苦しくなるものなんです。
両親が笑ってると心が軽くなるものなんです。
なので、出来る限り夫婦仲を良くする努力をしましょう。
しっかりした地盤で、子供が『存在してもいい』と思えるように。
『子供を想うなら、子供より妻を大切にすること』
これが私の家庭円満の結論です。